J第28節:浦和2-2川崎@埼スタ。

得点者:'19 ワシントン(浦和)、'35 ジュニーニョ(川崎F)、'50 中村憲剛(川崎F)、'52 ポンテ(浦和)

 久しぶりの本気試合。半年ぶりくらい? 「本気」を隠してるとは思ってましたが、ここできっちり出してきてくれました。このところあまりにも中速ギアばかり使ってたもので、いざ高速にギア入れ替えようとしても錆び付いててキイキイ言い出さないか少し心配ではあったのですけど。まだ全速出せるほど万全でないネネと一番中速運転に慣れ親しんでた三都主的な何かがいた左サイドのところが、ちょっと軋んだくらいでした。その軋みのおかげで勝ち点3逃すことになったわけですが。まあ、結果はアレのせいであれでしたが、内容的には今シーズンでもベスト級。安心しました。


 この日は長谷部がケガで出場回避。ブッフバルトは、そのまま小野なり酒井なりを入れて長谷部の代役にするのではなく、田中を入れてワシントンとの2トップ、ポンテトップ下で、山田をボランチに下げる3-5-2。とにかく現時点でのベストメンバで当たろうという強気な構え。山田ボランチはこれまでだと運動量も頭の回転もポヤーッとして物足りないことが多かったのですが、今のキリッとした男前な山田ならいけるという判断したんでしょうか。これが正解。中村憲をベッタリマンマークで見るという明確な仕事を与えてあげたのも良かったのだと思います(前半30分過ぎたあたりから山田のベッタリ感が薄れて、普通にマーク受け渡して守ろうとしたことで中村にボール持たれてしまい、川崎にペース握られるという場面もありましたけど)。一列下げたことで攻撃面での貢献が薄れるかと思ったらそんなこともなく。2点目のドリブルでの切り込み→絶妙スルーパスやら、打った瞬間入ったと思ったミドルシュート(わずかにスライス)やら、エリア内をぬるぬるかき分けてGKと1対1になる(シュートぶち当てる)やら。はっきり言って最近の長谷部を余裕で上回るプレイぶり。そりゃNHKのアナウンサにも「絶好調山田」と言われますし、エルゴラッソの表紙も飾ります。
 そして、目に付くのが最近のブッフバルト采配の充実ぶり。山田ボランチも当たりましたし、後半、同点になってから相馬、小野、永井と攻撃的な選手を次々投入して勝ち切ろうという姿勢見せたのも良かった。ホームですから勝ちに行くのは当然のようですが、以前のブッフバルトなら小野ではなく内舘入れてたところです。まあ、三都主→相馬は、攻撃的というより単なる懲罰的な交代ですが。元々、モチヴェータとしては優れてるものの、采配の面では保守性、硬直性が強過ぎて難があったブッフバルトですけど。このところは、先発の面子にしても途中交代にしても「なるほど」と思わせる、納得度高い、意図の見える采配ぶり。内舘の重用度が下がっただけという気もしないではないですが。

山岸4.5:PKの場面はよく赤紙出されなかった。あの場面に限らず、片山主審がいつかの薄禿と違ってバランス感覚備えてて、赤出さずに我慢してくれて助かりました。
ネネ3:PKはマギヌンをネネが少しでもブロックしてれば山岸が間に合ったはずだし、2点目の場面も飛び出してきた中村に全く気づかず緩慢なポジション取り。もうちょっとシャキっとしてくれないと。
闘莉王5.5:守りに専念とか言いつつ、当然のようにゴール前まで飛び出してるし。闘莉王黄紙4枚目もらってしまったのは、本気の代償としてやむをえませんが痛いことは痛い。次は堀之内、ネネ、内舘の3バック? おおお。
堀之内6:ジュニーニョが中盤に下がってフリーでボール受けようとするところをガツガツ当たって自由にやらせず。あそこでジュニーニョに前向かせると厄介なんですが、さすがに分かってます。
鈴木6.5:2対2の速攻受けた場面(こちらは闘莉王出張中で鈴木と堀之内、向こうはマギヌンジュニーニョだったかな)ではラストパスをよく足ピーンと伸ばして当ててくれました。あれは1点もの。
山田7:ボランチに下がっても充実ぶり落ちないとは。いやいや。ミドルシュートは長谷部にもちょっと教えてあげてください。
三都主3:サンポスには比較的寛容な私ですが、クロス上げさせるだけならいくらでも許しても、あそこで抜かれるほどのドサンポスはもちろん許しません。
平川6:受けに回らず、前に出ることで牽制するという対マルコンの常套策を遂行。役割は果たしました。
ポンテ6.5:持ち味のいやらしさが完全に戻ってきました。ラストパスの精度はことごとくイマイチでしたが、そもそもパサーではないですので。守備でも、献身的というのとはちょっと違うんですが、ここという場面でいきなり後ろから出てきてボールかっさらうのが絶妙にエロい。
田中5:こちらは献身的なのですが、エロさが足りないというプレイぶりでシュートゼロ。まあ、こういう試合ではしょうがないところありますが。
ワシントン7:ゴール前の密集地帯の中で、手品のようにスルッとDF交わして、右隅に巻いて流し込んだ得点シーンはもう上手すぎ。もう1点入れてくれれば申し分なかったのですが、守備も頑張ってくれてましたので。


相馬6:54分、サンポスと交代。空回りが多くて最近は干され気味だった相馬ですが、この日はチームがフルにエンジン回していたので、常に回し過ぎの相馬も空回りせず上手く入っていけました。まあ、あいかわらず入った直後のバカファウルはありましたが(黄紙出なくてラッキーでした)。
小野6:67分、田中と交代。そのままFW的な位置に入って、積極的にゴール狙う姿勢見せる。幻の勝ち越しゴールは惜しかったし、短い時間の中でもワクワクするようなプレイ披露。最近は短い出場時間の中でも元気なところ見せてたように、動きはキレてます。しかし、小野もポンテのように先発でこそというタイプだと思ってましたけど、こういう使い方でも意外といけるんですね。
永井5:78分、平川と交代。そこそこボール預けられて基点になってましたが、プレイ精度は永井としてはいまいち。まあ、永井出てきたことでマルコンを引っ込ませたのが最大の貢献でしたか。


MOM:山田暢久&ワシントン