立直。


 「オシム倒れる」の報せで、うかれムードも吹っ飛びましたが。それでもJリーグは続く。回復を祈ります。

J1 第32節:浦和 0 - 0 清水
得点者:なし


 歓喜ACL決勝から中三日。ワシントン(累積警告)、山田(肉離れ中)、小野(どっかケガ)、堀之内(打撲)に加えて、達也も謎のベンチ外で欠場。さすがに人手、特に前線が足りない中で採用したのは、ポンテ、長谷部2シャドー、永井1トップでの久々3-6-1。これは、ワシントンが謹慎中だった4月の鹿島戦以来ですか。相馬も大宮戦以来の先発。
 満身創痍、ということになるんでしょうが、そのわりには悲壮感やら優勝争いのプレッシャやらも、ちっも感じられず。「ACL終わったー」という解放感からなのか、選手の入れ替え、配置替えによって気分転換されたのか、なんだか久しぶりに、普通に楽しそうにサッカーしてるように見えました(最後はさすがに疲れてましたが)。最近の阿部とかもうそれは凄惨な姿でしたから。清水がガツガツ来なかったというのもありますけど。
 見てる方としても、やっぱり3-6-1は楽しい。ポンテ、長谷部、啓太、阿部のボックスとかワクワクせざるを得ないでしょう。まあ、それは開始10分で終わってしまいましたが。以前に「3-6-1の良い所はなんとなくでは上手くいかない機能性の低さ」とか書きましたけど。これは3-5-2ほど分かりやすくない分、停滞しやすい、だけどその停滞で選手間の関係が煮詰まっていくことによって一瞬の爆発が生まれやすい、というようなことが言いたかったんですが。とすると、濃いシーズンを過ごして既に煮詰まりきってる今の選手たちにポンと3-6-1やらせるとか、これはもうたまらないものが。
 そして、そんなドロドロな3-6-1の方が、これまでチームで浮きがちだった相馬が程好いアクセントとして活きやすいというのは、意外、ではなく当然なんでしょか。この日は、簡単に叩くべきところでは叩いて、スペースあればお得意のドリブルで血の流れを良くして、というプレイの選択が大分改善されてた気がします。まあ、周りの選手が相馬の判断力をまだ信用してないのか、相馬がボール持っても「いつものように勝手にやってくれ」と言わんばかりに誰もフォローに寄って行かず、孤立無援で憤死する場面がちょいちょい見られたのは、ちょっと気の毒というかハラハラしましたが。いっそ永井や闘莉王みたいに、もっとサイドに開けだのと味方からガンガン注文つけられてる方が安心なくらいです。
 相馬先発によって久しぶりに本職の右に回った平川も、スピードを活かしてノリノリ。サイドが変わって縦に行きやすくなってた分、今年のプレイの幅を身に着けた平川"改"というより、「去年までの平川の絶好調時」というようなプレイぶりの印象でしたが。しかし平川は本当に今年伸びました。リーグ開幕前のゼロックス杯で、ガンバの安田にボッコボコにされてたのは何だったんだという。あの後、干されて、さらにケガで戦線離脱したんですが、そのリハビリ中に何か掴んだのか(確か、左サイドからのクロスを一心に練習してエンゲルスに良くなったと誉められた、みたいな記事を読んだ記憶あるんですが)。また改めて書くつもりですが、今の平川は「スピードを足して馬力を引いた山田さん」とでも言っていいほどのトータルバランスだと思います。
 さて、あと2試合。ガンバが相変わらず勝手にコケたことで、優勝マジック勝ち点2。次は、そのガンバを抜いて7連勝で2位まで浮上してきた鹿島との優勝かけた大一番。うん、大一番、ですよね間違いなく。この清水戦もですけど、なんかあんまりにも緊張感とか感じなくてちょっと自分が心配なんですけど。