J第17節:浦和4-0FC東京@埼スタ。

得点者:'5 小野伸二(浦和)、'55 三都主アレサンドロ(浦和)、'71 三都主アレサンドロ(浦和)、'88 田中達也(浦和)

 やっぱり埼玉スタジアムから3ヶ月も遠ざかったのが間違いだったのですよ。ノリが違います。久しぶりに見た、ノリノリで相手をなぶるだけなぶって泣かす性悪サッカー。この試合見ると、世の中からイジメがなくならないのも分かる気がします。
 この日の浦和は、遂に達也ワシントンの2トップ結成、と思って楽しみにしてたら直前でワシントン出場回避。代わりに永井が先発。これだとまた達也の1トップか、と思ったのですが、どうも2トップ気味。永井は基本的に達也から遠いサイドでフラフラしてるだけだったので、はっきりとポジション分かりませんでしたが。ああいうフラフラの仕方は、昔よく見た気がするので2トップですきっと。小野が一人トップ下の3-5-2。いつ以来でしょう。
 これが正解。これまでトップ下で気だるい空気を醸し出していた永井が前に出て、蓋が軽くなったおかげで、最近ずっと息苦しそうにしてた長谷部が俄然元気に。なんだ、意外と簡単に解決しそうです長谷部の停滞問題。3-5-2にして風通しよくしてやればいいみたいです。まあ、ポンテ戻ったらどうするんだという問題はあるわけですが。右サイドとかやってくれないでしょうか。
 そして、長谷部の復調のおかげで小野も輝きを増しました。後ろの長谷部、そして前の達也が元気に上下動してボール受けて、相手DFを引っ張っていってくれるので、小野は「一仕事」に専念できるという。元々、W杯明けからの小野は、そう調子悪いとは思ってなかったのです。小野というのは、そのプレイぶりによってチームの出来を左右するというより、チームの出来によって輝けるかどうかが左右されるというスネ夫タイプ。そういう意味では、2シャドーの一角で「当たればもうけもの」とおまけ的に扱うのも間違いではないのでしょうけど、この日のように一人トップ下の方が、より「チームに左右」されやすくなりますので、派手に輝ける可能性は高いのかもしれません。派手に埋没する可能性もあるので、ハイリスクハイリターンですけど。
 ちなみに、この日も2得点の三都主は、チームの出来どころか自分の出来にも左右されないという。空気を吸わなくても生きていける宇宙人タイプ。出来が悪くてもいきなり爆発したりします。この日もほんと、唐突でした。
 しかし、達也ワシントンが揃ってなくても2トップにしたということは、どうやら3-6-1とはこれでお別れですか。気難しい相手でしたが、結構、楽しませてももらったので名残り惜しいですが。まあ、あとはU-21代表でも観察することにします。


 選手短評の中身は後で埋めます。

山岸6:たいしたピンチもなく、たまにあっても向こうが勝手に外してくれるという感じでした。向こうのワシントンとの激突シーンはひやりとした。
堀之内4.5:どうも、最近は以前ほどの集中力が感じられない気がします。ネネも戻ってきました(この日はベンチ外でしたが)し、いっちょ滝にでも打たれて気を引き締めてください。
闘莉王6:安定感ある空中戦でワシントンを封殺。ぼんやりしたミスパスからしからぬプレイもありましたが。
坪井6:今日もキャプテン。坪井の足元が安定して、しかも積極的に前に出てボール受けるようになったことで、ここのところ最終ラインからのボール回しがぐっと良くなってきてます。
鈴木7:相手のヌルいボール回しを完全に読み切ったようなインタセプト連発。更にこの日は盛んにサイドを駆け上がったりと攻撃面でも積極的。そんなに頑張らなくてもというほど、圧巻の出来。
長谷部6:最後4点目をアシストするなど復調を感じさせるプレイぶり。ただ、前半の小野のカンフーパスを受けてゴール前ドフリーだったのを豪快にフカした(思い切り蹴ろうか、ちょんと浮かそうか迷ったような感じ)のはちょっと。啓太じゃないんですから。
平川7:スピード勝負で対面の伊野波をちぎってちぎってちぎり倒して、先制点をアシスト、さらに後半早々に赤紙献上と試合を決める。やっぱり平川は縦に行ってなんぼです。クロスの精度も良かった。
三都主6.5:全体的にはかなりなサンポスぶりだったのですが、唐突な感じでズドンと一発繰り出してゴールという、三都主らしい採点の難しい出来(甲府戦の短評のコピペ)。
小野6.5:試合開始早々に高級感溢れる美しいゴールを決めて、ゴージャスな試合のムードを作る。簡単そうなシュートは難しい外し方するのに、難しそうなシュートは実に簡単そうに決めてくれます。楽しそうにやってて良かった良かった。
永井5:2トップで使われたおかげで、久しぶりにボールサイドと逆の遠くの方でポツネンとしてる永井を見た気がします。懐かしい。あと、途中交代を告げられて不貞腐れてスタスタ帰っていく姿も懐かしい。この日は、最近のパスにこだわるファンタジスタぶりがすっかりどこかへ行って、やたらと人ごみに突っ込んでいく強引なドリブル勝負を仕掛けるも不発。三都主のクロスにニアで合わせようとした場面は良かった。
田中7:狭いニアに流し込んだ4点目のゴールはこれぞストライカという仕事。中盤に下がってのボールの受け方、捌き方の巧みさも光ります。ワシントンより全然ポストプレイ上手いと思う。


山田5:65分、永井と交代、2シャドーに移行。潤滑剤としてそれなりに機能しつつ、ちょいちょいボンヤリと軽いボールの失い方して溜め息を誘うという、いかにも山田なプレイ。
相馬-:75分、三都主と交代。そして2分後に黄紙。ちょっとあなた。
岡野-:78分、小野と交代。珍しくも2シャドーの位置に。明らかにどう動いていいか分かってない感じでした。


MOM:平川忠亮…色々と候補者ある試合でしたが、ここは先制アシスト+伊野波退場と合わせ技で試合を決めた平川で。ここであげとかないと今後機会なさそうですし。