日本2-0トリニダート・トバコ@国立。

得点者:17' 三都主アレサンドロ、22' 三都主アレサンドロ

 二日前のオシム初戦について。途中まで書いたのを没にしたりしてたら遅くなりました。試合内容について語ろうとすると、どうしたって「ジーコジャピャンとの比較」という観点は外せないのですが。どうもその見方にはあまり興味がないようで、形にならなかったです。
 で、大挙6人が先発に名を連ねた浦和の人たちについて、「浦和の時との比較」で書いてみよう。かと思ったのですが、これもあまり書くことないですか。比較しても極端な変化はなかったですし。達也は最初は周りに気を遣ってかパスを探すようならしからぬ場面もありましたが、時間経つにつれて地を出してましたし、初代表ということで何かやってしまわないか少し心配していた鈴木啓太闘莉王なども、全くいつも通りの安定感。坪井と3人での最終ラインのボール回しは、危なっかしい堀之内がいない分、浦和の時よりも安定してたくらいです。闘莉王はいつもより攻め上がり控え目でしたが、これは緊張とかでなく、早い段階で2点リードしたから「もういいか」と安全運転に切り替えただけでしょうし。そういう「見切り」は浦和でもちょいちょい見せます。そういえば試合内容について、「立ち上がりは良かったけど点取ってからのペースダウンは反省点」みたいな論調が見られますけど。6人持ってかれてる立場としては、また土曜にリーグ戦があるってのに90分全力疾走されても困ります。まあ、実際、やってる浦和の選手たちも「2点リードしたんだからペース落ち着かせるか、どうせ週末の試合もギドは容赦なく俺ら使うんだろうし」とでも思って、見切ってやってたんじゃないかという気もします。真面目な坪井は足痙攣するまでやってしまってましたが。
 あと、三都主。2得点の大活躍ということで、「オシムになって劇的に変った!」みたいに言われてますが。いつも通りといえばいつも通り。今年の三都主はやる時はあれくらいやってます。やる時は。代表でしか見てなくて、昨年、一昨年のサンポスぶりのおかげで色眼鏡が真っ黒になってるような人には「変った」ように見えるかもしれないですけど。むしろこの前の川崎戦とかの方が出来としては全然上。1試合2得点は確かに珍しいですが、3アシストなら今年、浦和でやってますし。クロスボールに顔を背けるお嬢様ディフェンスもあいかわらずですし、一仕事(この日は二仕事か)終えた後は、そそくさと店仕舞いを始めるのもいつも通り。オシムになってSBじゃなくなって守備から解放されたから、ということだけに活躍の原因を求めるのはどうか。全く無関係とは言いませんけど。でも、ポジションが一列上がったと言っても、選手に求める守備意識のレベルでいうとオシムの方が全然上ですし。実際、立ち上がりの三都主ジーコ時代には見たことないような、執拗なマンマーク見せてました。もちろん、「執拗」だったのは立ち上がりだけでしたが。「守備からの解放」というより、この日は、先発した面子に一発のある選手が三都主以外いなかった(ジーコは中盤に一発ある選手ばかりを固めてた)こと、オシム初采配で注目された試合だったということ、全体的に若返ってフィールドプレイヤでは最年長という立場になったことなど、これは「やる時」だと三都主に思わせるような状況だったということが大きいのじゃないかと思います。たぶん、三都主の代わりに小野でも活躍したと思う。
 そして、最後に長谷部。浦和の時と比較しての「極端な変化」を期待してたのですが。あいにく、あまり変化なかったです。最近の長谷部の停滞は、周囲との関係性の問題だと思ってるので、ポンテもワシントンも小野もいない、中田も中村も小笠原もいない代表は、モヤモヤを吹っ切るチャンスだと思ったのですが。残念ながら、上記の誰よりもモヤモヤを抱いていそうな元浦和の山瀬と組まされてしまいました。この日の長谷部は、山瀬が浦和にいた時よりも明らかに気を遣ってパスを回そうとしてました(当時は、エメルソンも達也も長谷部も、フリーランする山瀬を囮役としか見てなかった)が、あと一歩のところでことごとく合わずという。「なんとか周りと上手くやろうとするんだけどどうもギクシャク」という傾向が、むしろ進行してしまったんではないかという気もします。うーん。