エースの差。

 としか言いようがない。スターとスーパースターの違いと言ってもいいですが。2連敗の後の4連勝劇でMIAがチャンピョンへ。ペイトン、モーニング、ついにリング奪取。MVPはもちろん、斜陽のシャキール・オニール、あいかわらず勝手なタイミングでシュート撃つアントワン・ウォーカー、"永遠の保護観察処分"ジェイソン・ウィリアムズといった困ったちゃんたちの集まるチームを、一人で頂点まで引っ張りあげた3年目のスーパーエースドウェイン・ウェイド。ここまで「一人で」やってしまった感の強いファイナルは最近そうないです(この試合ではハスレム、モーニングもかなり頑張ってましたけど)。今や、同期のレブロン、カーメロに大きく差をつけて、"ネクスト・ジョーダン"の座に近付いた感じ。試合終盤でもゴリゴリとドライブインしていって、力ずくでFTもぎ取れる(そしてそのFTをあっさり決められる)のが、なんとも勝負強さを感じさせます。チームがどうも悪役っぽいイメージが強いのが、スーパースターとしてはやや難ですが。しかし、凄い男です。
 対する、DALの"ただのエース"、ダーク・ノヴィツキー。カンファレンス準決勝でSA超えを果たした時には、一皮剥けたかと思ったんですが。ファイナルを勝ち取れるほどまでには剥けきってなかったみたいです。要手術。良いところがないわけではなかったんですけど、昨年と違って際立った守備戦術のないチーム同士の対決で、いざとなったらひたすらエースに集めてなんとかしてもらうという展開が終盤続いただけに。6試合全てでチームのリーディングスコアラだったウェイドと、半分の3試合だけだったノヴィツキーという、エースの底力の差がはっきり出たシリーズという印象が強いです。ここまで一緒に引っ張ってきてたジェイソン・テリーが初戦での大ボケの後は急に存在感薄くなったのも、ノヴィツキーの負担大きくした部分はあるでしょうけど。まあ、でもMIAもシャックがFT外し続けたのでおあいこです。
 あと、第5戦の後に審判に噛み付いたとかで3000万近い罰金を払ったというDALの小太り。MIAが優勝決めた瞬間には健闘を称えて拍手をして、意外とスポーツマンシップの持ち主であることをアピールしてましたが。そんなことしてもどうせ爽やかさの欠片も感じられないんですから、あそこは思いっきりぶちキレて、カンニング竹山のそっくりさんであることの方をアピールして欲しかったです。