浦和選手成績簿@'06前半戦 (その1:FW編)

 先日出た、浦和・犬飼社長がJリーグの専務理事に引っ張られたというニュース。次期チェアマンに向けての下準備とかいう話もありますが。これは川淵の独裁ぶりに反発した一派が、毒を制するには毒の精神で豪腕犬飼を連れてきた、とかだったら面白いんですけど。中国史なら、間違いなく毒を制した毒による更なる大虐殺が起きたりしますこういうパターン。

 そんな将来のジェノサイドの話ではなく過去の話。浦和の前半戦を振り返ろうのコーナー。一応、6月頭にナビスコ準々決勝も残ってるんですが。それを終わるまで待とうとか考えると、天皇杯を見ながらボンヤリしてるうちにNFLのプレイオフが始まっちゃって、GK、DFだけで放り出した昨年後半の総括のようなことになりますので。

 今回は、折角、レビュウで採点とかしてるのでそれをもとに。見れなかったナビスコ第3節福岡戦、見たけど採点する気にならなかった同第5節FC東京戦以外の16試合から。なお、ちょこっと途中出場しただけで点をつけなかったような場合は、試合数も点数も計算に入れてません。試合数の次の「合計」という数字は、点数を全部足したもの。シーズン通しての貢献度の目安としては、平均点よりこっちの方がいいかなと。
 またGKから始めて辿り着かないと困るので、今回は前から。なお、ポンテ、永井はトップ下、岡野はサイドの項で。

FW
#21 ワシントン 15試合、合計91.5、平均6.1 (最高9:5/21ナビ横浜戦、最低4×2試合)
#12 黒部光昭 2試合、合計11、平均5.5 (最高6:4/12ナビ福岡戦)
#34 エスクデロ 2試合、合計10、平均5 (最高6:3/29ナビ東京戦)
#27 横山拓也 1試合、合計4、平均4

 FWはもちろんワシントンの独壇場。合計、平均の数値とも、FWに限らず全選手中1位です。1トップという難しいポジションを務めながら、たまに爆発して帳尻合わせるというのでなく、これだけコンスタントに点を取ってくれれば言うことはありません。5点未満だったのは、大ハズレの日だった第9節清水戦と、ワシントンに限らずGK以外全員が5点未満という最悪の試合だった第11節千葉戦の2試合のみ。対下位専用だったマリッチに比べて、上位チーム(特に横浜、というか栗原)に強いのもありがたい。ポストプレイは噂通りそれなりで、それこそマリッチと大差ないレベル(キープ力ではワシントンのが全然ありますけど、1タッチで捌くのはマリッチの方が上手かった)でしか計算できませんけど、意外と速攻のフィニッシャとしてもいけるというのは嬉しい誤算。デカくて重い=足が遅いというイメージとは裏腹に、速攻からのスルーパス一発で抜け出して、相手DFをひきずりながらのゴールを決めたりしてくれました。その岩のような体による当たり強さのおかげで、ボールを追っかけて相手DFと体をぶつけ合うと、相手DFは自分ばかりがバランス崩すのでワシントンにエネルギを吸い取られたように失速。そこでリーチの長さをいかして先にボールに触って、あとは懐の深さを活かしながら冷静に料理するという。これまで浦和で散々見てきた速攻型FWとは全く違うタイプなのですが。マリッチの持っていた「点」で合わせる=遅攻向きの能力に加えて、マリッチがカケラも持っていなかった重戦車型速攻力を併せ持つというワシントンの存在が、今年ここまでの(よく言えば)柔軟な戦い方を可能にしてくれてます。

 大きく離された2番手の黒部。先発したのはナビスコでの1試合のみ。それにしても2試合ってことないだろと思うでしょうけど、「採点なし」の試合がやたら多かったのです。それだけインパクトに欠ける前半戦だったと。まあ、黒部については、普通に2トップにすればよさそうなところをわざわざ2シャドーの一角で使われたり、闘莉王がゴール前で力いっぱいハゲ散らかしてるところに更にパワープレイ要員2号として投入したり。使われ方があまりに気の毒な感じもしますが。変な使われ方のせいで、いろいろ頑張ろうとするあまり自分を見失ってるように見えなくもないです。無意味な反則の多さとか、笛吹かれた後の笑い顔とか。スーパーサブとして機能しそうなタイプでもないので、現状はあくまでもワシントンに何かあった時の保険という立場。ただ、ブッフバルトはワシントン使えない時の1トップに永井起用したりもするので、それすらも結構微妙なのですけど。このままでは来年も浦和にいるかは極めて不透明な情勢。少なくとも梅田、西谷あたりよりはまだ全然出番もらってますので、とりあえず早く1点欲しいところです。

 待望のプロ初ゴール決めたエスクデロ。そのゴールは3月末のこと。これはブレイクのきっかけになるかと思ったら、ブレイクどころかその後ぱったり出番なく。ベンチに入ることもままなりませんでした。ブッフバルトウォルコットとか絶対選ばないタイプな。まだ線が細く、単細胞な気はありますが、スピードと意欲があってスーパーサブとして育ててみれば面白いタイプだと思うのですが。チームが好調だったもので、選手交代も守備固めばかりで攻撃のスーパーサブが必要とされるような状況もあまりなかったですけど。同系の田中達也が復帰すると立場はまた厳しくなりそうですが、田中が先発で使われるようになれば「田中のサブ」として逆に出番増える可能性もなくはない。腐らず頑張ってくださいな。

 だいぶ厳しいことになってきたのが横山。髪型も厳しい。当面のライバルは黒部、エスクデロになりますが、ポストプレイ、元代表の黒部、スピード、眉毛のエスクデロに対して、岡野と仲良し、髪型がヘンな横山。厳しい。