ナビスコ杯予選 浦和4-2横浜@埼スタ。

得点者:'23 ワシントン(浦和)、'32 相馬崇人(浦和)、'43 ワシントン(浦和)、'70 ワシントン(浦和)、'73 塩川岳人横浜FM)、'81 田中隼磨横浜FM

 消化試合の後の消化試合は消化の良い試合。気楽さも手伝って、こりゃ楽しかった。
 闘莉王出場停止の浦和は、リベロに堀之内、内舘、細貝の3バック。そしてなぜかGKは山岸でなく加藤順大。加藤は頭にヒモをしてました。酒井のところに鈴木が戻ってきて、あとは東京戦と同じ布陣。若手起用はGKでお茶を濁して、あとはだいぶ本気のメンバという。あいかわらず勝ちたがりなブッフバルト。対する横浜は松田、河合が出場停止で、ハートブレイク久保が蒸発。開幕前に冗談めかして書いたらその通りになってた大島、清水の2トップに、物置から中西を引っ張りだしてきての4バック。
 前節のFC東京戦がだいぶアレでしたので、今日も心配してたのですが。この日は、帰ってきた鈴木と、久保と違って意外とすんなり解脱状態から現世に戻ってきた長谷部という、鋼のボランチコンビが全開。杞憂でした。序盤から出足でガツガツと前に出て。球を持ったらさっさか前線に運んでは、巨砲ワシントンをぶっ放して、頭一つ小さい中西、やられ役栗原をいじめ倒しました。栗原のやられっぷりはさすが本職という感じでそれは見事なものでしたが、中西の衰えぶりは見てて痛々しかったほど。まあ、小倉が引退したくらいですから。中田一三てまだやってるんですか。
 横浜DFを赤ちゃん扱いのワシントンのハットトリック達成(1点目はオフサイドでいいと思いますが)と、そのワシントンのキープから決めた相馬の浦和初得点で4-0。そこで浦和はキャプテン山田が率先して「今日はもういいっしょ」な空気を醸し出したことで店仕舞い。ただ、4点取られてやっと目が覚めたという寝坊にもほどがある横浜が息子ハーフナーで空中戦挑んできたのに対して、闘莉王不在で高さのない3DFと第3GKではいくら引いても簡単に守りきれるものでもなく。というか、引いちゃったからこそ守りきれなくなって、アップアップして2失点(1失点目はハンドでいいと思いますが)したりしましたが。それでも貯金で逃げ切り。1位通過決定。

 それにしても、この日、驚かされたのが永井。最近、永井についてばっかり書いてる気もしますが。「華麗なドリブル」とか「才能(の片りん)」とかは散々見せられてきましたから、今更、驚きはしないのです。しかし「華麗なサイドチェンジ」とか「攻撃センス」とか、最も永井から縁遠いと思われてたものを見せられるとは。いつもより幾分下がった位置でボールを持って、少ないタッチから球筋のキレイなミドルパスで簡単に急所のスペースに放り込んで攻撃を演出するという、見事な古典的司令塔ぶりを披露。華麗なパス出した後、余韻に浸ってぼんやり突っ立ってるところとかも古典的。これまでも、たまにコジャレた浮き球のスルーパスとか見せたことはありましたけど。あれは、いかにも「ちょっと才気走ってみたけどどうよオレ?」みたいな。どっちかという勘に触るプレイで、パスセンスというのとは別物だったんですが。今日のファンタジスタぶりには正直ちょっと惚れました。小野ばり。守備もいつもよりは粘ってて、マグロンをイラッとさせたりしてましたし。一体何があったんだ。スパイク変えたのが良かったとか。まさかとは思いますが…覚醒、したとか。
 あいにく、真相を確かめる術もなくこれでW杯休み突入。永井は、間隔が空く度に状態が一旦リセットされて、再開時にまた能力値がルーレットで決まるという「信長の野望」みたいな選手だけに、この中断はおっかないです。いや、周囲の状況によってしか活躍度が左右されないタイプといったほうが正しいか。違う組み合わせの布陣、違う対戦相手だとどうなるかは全然分からない。↑で「小野ばり」と書きましたけど、本当に小野に代わってポンテと組んでも上手くいかない気がします。しかし、これでまた「木阿弥」だったら、もう。笑います。

加藤5:2失点もまずまず。ハイボールの放り込みに、そこ飛び出さないのかみたいな場面もありましたけど。キックは山岸を上回るものがある。山岸上回らなかったら大変なことですが。ちゃんとツヅキックをお手本に勉強してる様子が伺えます。
堀之内5.5:前半から果敢にラインを上げて守備牽引。引いて守るのにはやはり堀之内真ん中は高さ的にいささか厳しいみたいですが。
細貝5.5:中盤のプレスが効いてる状況なら、常に捨て身で前に強いCB細貝は十分いけるみたい。受け身な状況だと、その捨て身ぶりが危険な位置での反則に繋がっておっかないわけですが。
内舘5.5:内舘も似たような感じ。
平川6:使ってくれる山田、永井とは好相性。一番最初に代えられたのは意外でしたが。
相馬6.5:キレたドリブルでザクザク切り裂く。後半やや失速しましたが浦和来て一番の出来。先発起用のおかげかいくらかイレコミが解消されて、押し引きの判断をちゃんとしてたのが良かったです。
鈴木6.5:前のFC東京戦から鈴木1人入るだけでここまで変るかという。
長谷部6:いろんな意味で切り替え早い。
山田5.5:後半に入ってからの「今日はもういい代えておくれ」オーラはかなりのものでした。
永井6.5:今日の永井はエレガンテーロ永井。
ワシントン9:ポストプレイというより、前を向いてボールもっての独力突破をしばしば見せては、横浜DFをいいように引きずり回して3得点。相手になりません。


岡野6:63分、平川と交代。出てきて7分でサクッと1アシストしてお仕事完了。
赤星4.5:74分、山田と交代。前からの守備を活性化しようと横山と2人走ってはいましたが、後ろはもうドン引きを決め込んでたので、かえって中盤のスペース与えちゃってました。
横山4:78分、ワシントンのカーテンコールのために交代。横山自体の出来については「髪がヘン」としか言いようがない。


ブッフバルト:ホームできっちり勝ちにいく姿勢出す。