天皇杯準決勝:浦和2-1鹿島@国立。

 ありがたやありがたや。

得点者:40' 小野伸二(浦和)、69' 岩政大樹(鹿島)、82' ポンテ(浦和)

 とっとと帰国した闘莉王、ワシントン、三都主に、出場停止の長谷部、直前でまた足を痛めた坪井、ベンチ入りはしたものの先発復帰は叶わなかった堀之内。実にレギュラの過半数が消失、DFに至っては総取っ替えという。飛車角金銀落ちで臨んだ試合でしたが。まだ帰ってきた天才と周回遅れのエースが残っていました。今季はここまでずっと飛び飛びでやってきた桂馬二騎の軽やかな浴びせ蹴りが、急所にグサリグサリ。それ当たるのかよと歯軋りしながら蹲る鹿島、みたいな。なんともおっかないことです。
 しかし、これだけ選手入れ替わっても「今季の浦和」がなんとなく継続されるのがこのチームの懐の深さですか。ワシントン、長谷部の代わりに永井、小野が入ったことで中央がより曲線的・変態的になったことで、相馬・平川の直線的・勤労的に偏ってるサイドと、意外にバランス取れたりしてましたし。あと、闘莉王の穴を、病み上がりなのにやけにノビノビやってたネネが埋めてたのも地味に効いてました。あいかわらず掴み所のない選手です。
 これで元旦決勝。相手はガンバ。どうやら次も坪井、堀之内は無理め、さらに途中交代した啓太、酒井も足の状態悪く、山田は腰痛とかなんとか。おおお。長谷部が戻ってくるとはいえ、さすがにこれ以上のギアは残ってない感じ。酒井には、最後の最後の飛び道具役をちょっと期待してたのですけど。小野、ポンテにもう一丁というのはさすがにムシが良過ぎる感じですし、永井は基本的にリズムが裏打ちですし。こうなったら細貝の垂直落下式ヘディングにでも期待しますか。あのいつか脱臼しそうな。自分が。


都築5:何だかいまいち安心感を感じられないプレイぶり(飛び出すタイミングとか)でしたが、これは元々か。ハーフタイムでの揉め事に当然のように参加してたのには安心しました。
細貝6.5:続けての出場でリズム掴んできたか安定感増す。それでも全然スリリングなDFなんですが。いろんな意味で。試合終盤のアウトゥオリをも呆れさせる捨て身ダイブでの時間稼ぎ(結果的に)は大笑いでした。
内舘6:いつ以来かというリベロ内舘でしたが大過なく。相手FWが大したことなかったという感もなくはないですが。
ネネ6:やはり1人、高いのがいると一本芯が通る感じ。病み上がりの影響感じさせず、張り切って攻撃参加見せる。ヘディングは当たりがしょぼいのでセットプレイでの得点はいまいち期待できないですが。
鈴木4.5:この前線の面子だとどうしてもボランチの負担がキツくなる上、総取替えの後ろ3人も気掛かりで心労かかり、さらに相棒が働き者で阿吽の呼吸の長谷部でなくポヤッとしてる山田だったことで消耗、珍しく途中交代を命じられる。
山田5:ボランチ起用でしたが、効いてるような効いてないような、センスだけでやってるような微妙な出来。攻撃面でも相馬にあずけてそれっきりというのが多くあっさり風味。腰痛という話ですし、さすがに疲れてるんでしょうか。
相馬6:後半に永井に合わせたあわやという高速低空クロス、の前の飛び出し。あれですよあれ。出来るんじゃないですか。忘れないように復習しておいてください。
平川6:攻撃は相変わらずの鈍さでしたが、この日は守備で鋭いところを再三見せてくれました。これぐらいの守備してくれるのなら使ってる甲斐もあるというもの。
小野6.5:ちょいちょいずば抜けた技術を披露してオーラを発揮。90分はかなり厳しいのですが、要所をオーラでごまかして何とかしてました。
ポンテ6.5:あいかわらずのやる気。値千金のゴールはもちろん、野沢の飛び出しにPA内までギリギリついていった守備なども素晴らしかったです。この選手の活躍するリズムって何となく分かります。
永井5.5:前の試合ほどでないですが気合はそれなりに継続。平川、相馬がそれぞれ作ってくれた2度の絶好機を外したのは痛かったですが、まあ、あれをバシッと決めたりしたら普通に格好良過ぎますから。


酒井-:73分、鈴木と交代。でしたが、すぐに接触プレイで足を痛め、一度はピッチ戻るもどうにも痛そうであえなく交代。NHKの解説の小島氏はなんだかトンチンカンなこと言ってましたが、単なる負傷交代です。戦術的に交代させられたというならさすがに酒井でも怒ると思いますよ。
堀之内-:87分、その酒井との交代でそのままボランチに。内舘もしくは細貝をボランチに上げるという選択肢も一応ありましたが、まだ全く試合勘なさそうな堀之内を最終ラインに入れなかったのは正解でしょうね。とりあえず走ってはいました。


MOM:小野伸二