J第15節:浦和1-0大分@駒場。

 今日の天気のように、空気がベタベタとまとわりついてくるようなしんどい試合。

得点者:'78 田中達也(浦和)

 山田を出場停止で欠く浦和、代役はやはり永井。あとは前節と一緒の布陣。
 連勝中で攻撃的サッカーをしてるという話だった大分ですが、前半はボールを持つ浦和、守る大分という展開。浦和は、小野も長谷部も右サイドに流れ、さらに右CBの堀之内も積極的に押し上げて、とやたらと右サイドにわらわら人が集まってきて、攻撃を組み立てようとする。しかし、右WBの平川はスペースあってなんぼで、人口密度が高まるほど活躍の可能性が減少していく選手なので、決定的な崩しはできず。じゃあ逆サイドと思っても、前の試合でアップダウン繰り返した三都主は、この日は明らかに体が重そうで、アップもしなけりゃダウンもしない、攻めてもいないのに裏だけは取られるという、フィールド上のボウフラと化していて、サイド攻撃は沈黙。
 また、山田が抜けることでの機能性低下を心配していた小野は、やはり不安的中。永井王子が入ったことで、王族としての地位が相対的に低下してしまい、労働量が増加。増えるのが「運動量」だけならいいのですが、労働させてはいけません。よく守備に戻ってきてくれてましたが、元々スタミナない選手なだけに、試合が進むにつれて攻撃で決定的な仕事をできる場から遠ざかることに。小野が山田のような仕事をやってたという感じでしたので、それならそれで永井が王子ぶりを発揮すればまだ何とかなったのですが。さすがの永井も、小野が労働してるとなるといつもほどプラプラしてるわけにもいかないと思ったのか、守備をそれなりに頑張ってしまい、そうなると誰よりも肉体的にも精神的にもスタミナのない選手ですし、キャンペーン期間も終了してるしで、こちらも失速。両翼の不振、トップ下の機能不全となると、あとはもう達也一人で何とかしてもらうか、闘莉王の攻め上がりによるカオス発生を待つかという、両田中さん頼みな展開に。確実にキレを増してきてる達也が、それでも何度かシュートに持ち込む場面はありましたが、角度ないところからの強引なシュート(これこそ持ち味ではありますが)がほとんど。ドンヨリとしたままスコアレスで前半終了。
 このモヤモヤをどう晴らして大分の守備をこじ開けたものか、とか考えながら臨んだ後半。それどころではない。後半に入ると完全に大分ペースで、こちらは守備をこじ開けられそうなところをGK山岸の奮闘でギリギリで凌ぐばかり。大分の攻撃は、一貫してこちらの両WBの裏、CBの脇という、3バックの宿命的な弱点であるスペースに対して、簡単にボール入れてくる作戦。前半のうちは、まだ浦和のプレスが効いててロングボールの精度が低かったのと、大分の中盤が無理せず全然押し上げてこなかったものだから、全然怖くなかったんですが。後半になると、浦和が疲れてプレスが緩んで大分のパスの精度が上がったことと、大分の中盤が前に出てきたことで、この攻撃が怖い怖い。おまけに、スペースを埋めるべき両WBもヨレヨレ。平川は、この試合でも後半15分過ぎには暑さでゲル化。裏にボール出されても追いかけきれずに堀之内にマーク押し付けるばかりに。三都主に代わって後半頭から左に入った相馬も、いくら元気でも守備はあいかわらず猫の手ほどの役にも立たないし、攻撃面でも絡みづらさを発揮するばかり。
 単発のカウンタしか攻め手がなくなってこのままではジリ貧の浦和、ブッフバルトの打った手は後半19分で小野→内舘。内舘をボランチに入れて守りを固めて耐えつつ、ドリブルのある長谷部を前に上げてカウンタ要員に、という。勝ち点3を狙いにいったというより、この流れなら最悪勝ち点1で良しとする、ヘタしたらますますジリ貧になるだけの積極的とは言い難い采配に思えましたが。これが的中して勝ちが転がり込んでくるんだかわら分かりません。
 後半33分、代わって入った内舘からのミラクルパス炸裂。田中達也が完全に抜け出し落ち着いて沈め、全く点が入りそうな予感なかった浦和が先制。小野と交代で入ると小野っぽいプレーをすると専ら噂の内舘。インサイドでの柔らかいタッチの絶妙アシストでした。しかし内舘のアシストていつ以来ですか。WBやってたころでもほとんど記憶ない。
 あとはもう、田中→酒井投入で完全に守って逃げ切り狙い。それでも危ない場面ありましたが、とにかくこの試合、大当たりの山岸が崩れず。ひいこら言いながらも勝ち点3を頂戴。ふう。
 しかし嫌な相手でした大分。浦和キラーの高松が途中でケガで引っ込んだり、新外国人ラファエルはフィットしてなかったりと、FWの迫力不足に助けられましたが。これでマグノ・アウベスが残ってたらと思うと。大分の次の相手は川崎ということなので、もう思う存分やっちゃってください。

山岸8:山岸様様。しかし、都築のケガも治ってきたというのに、山岸がこの調子だと替えるタイミングないですね。都築との明確な差であるキックで何かしでかすとかでもないと。
坪井5:この日はキャプテン。自分の前にいる左WBのヘッポコ守備のおかげで、坪井のスピードをもっても後手を踏む場面もあり苦戦気味。
闘莉王6:サイドを崩されながらも、はえ際で凌ぎきる。
堀之内5.5:こちらもサイドのスペースに引っ張り出されてかなり苦しかった。
鈴木6:ドン詰まりの状況を打ち破って得点を生んだのは、内舘のスルーパスの前に、鈴木から田中への猛烈な勢いで打ち込んだ楔のパス(とそれを見事に落とした田中のポストプレイ)でした。パスの価値としては、むしろ内舘パスよりは上なくらい。
長谷部5:再開して3試合、どうも長谷部の攻撃面で絡めてないのが気になります。前半、何度かゴール前に飛び出してあとはそれっきりという感じで。後半途中からトップ下に上がっても、これといった仕事できませんでしたし。
三都主3.5:何か悪いものでも食ったんだと思う。
平川4.5:あなたはもっと肉を食え。
小野5.5:ホント、守備頑張れるようになりました。前半、浦和のCKから相手のカウンタを浴びた場面で、キッカーだった小野が全力でゴール前まで戻ってきてくれた(足遅いので追いついてなかったけど)のにはちょっと感動。しかし、小野を活かすにはやはりリケルメのアルゼンチン代表みたいにするしかないのでしょか。もうすぐポンテ、ワシントンが戻ってくるのに頭が痛いところ。
永井5:中断前のファンタジスタぶりがすっかり影も形もないことに失望してる(希望をもっていた)自分が腹立たしい。
田中7:復帰2試合目でゴール決めたと思ったら、2試合連続。この日は一人でシュート7本、1試合ごとにものすごいスピードでゲージが充填されてます。これは選ばれちゃいますか日本代表。


相馬4:HT、三都主と交代。この日は本職の左サイドでしたが、カラカラという音が聞こえてくるようなプレイぶり。いつのまにかブッフバルトの信頼を得てるようなのですが、開幕時とそんなに変わってるようには見えないのですけど。
内舘6.5:64分、小野と交代、ボランチに。小野ばりのベルベットパスで値千金のアシスト。内容グダグダの試合ではありましたが、「よりによってウッチーが!」というのが見てる者の不満を一発で解消させてくれた気がします。
酒井-:86分、田中と交代。リーグ戦はこれが初出場ですか。

MOM:田中達也…前節にこれからMOM決めようとか言っておいて、いきなり忘れてた(これ書いてるの8月15日)。