浦和選手成績簿@'06前半戦 (その4:サイド編)

 いよいよ明日からJも再開。更新も再開。ただ、ドイツ休暇中にワシントンもポンテもケガしてしまって、長谷部は累積で次は出場停止。新潟戦は小野の一人トップ下に、長期離脱明けの田中とドイツ行ってる間もどこかしらが痛いとリハビリしかしてなかった永井の2トップなどという話もあるみたいですが。それはそれは。楽しみなようなおっかないような。8:2でおっかない。
 さて。1ヶ月ぶりのその4(その)。あと残ってるのはボランチ、DFですか。もう何も残ってないような気もしなくはない。時間とか。

サイド
#6 山田暢久 15試合、合計84、平均5.6 (最高7:4/12ナ福岡他、最低4.5)
#8 三都主アレサンドロ 11試合、合計61、平均5.55 (最高7:3/11磐田他、最低3.5:3/4G大阪)
#14 平川忠亮 9試合、合計42.5、平均4.72 (最高6、最低3:3/29ナFC東京
#16 相馬崇人 6試合、合計30.5、平均5.08 (最高6.5:5/21ナ横浜、最低4)
#30 岡野雅行 5試合、合計30、平均6 (最高7:4/9福岡、最低5)

 相馬の加入もあって、両サイドに先発級が3人はいる(右は山田、平川、岡野、あと永井、左は三都主、相馬、平川)という、質量とも最も豊富に揃ったポジション。ただ、その豊富さがかなり攻撃面に偏った揃い方となってるので、使い分けようにも「早く攻めるか、緩急つけて攻めるか」という程度の幅の選択肢しかなかったりします。そのせいか点数的にはいまいち安定せず、トップ下に次いで低調な点に。

 そんな中で、さすがの万能性と親和性で抜群に安定していた山田。3分の1はトップ下やってたんですけど。山田というと、ちょっと前までは浦和随一の軽さというか、かったるさを醸し出す選手としてみなに可愛がられていた(婉曲な表現)存在だったものですけど。今ではそのかったるさが適度な「重さ」に転化して、中盤におけるバラストのような存在感。主将務めるのも3年目で(傍目にはとてもそうは見えないけど)内面では自覚が芽生えてきたのか、周囲に軽さ全開な選手が増えて単に相対的に重く見えてきただけなのかは分かりませんが。中盤で唯一高さのある選手であるということも含めて、チームの安定には不可欠です。また、どんよりした試合展開の時にはブッフバルトの怒られ係として、手ごろな捨て石役でも非常に機能。これも、ある程度、重いからこそ、たまに試合途中で放り捨ててみると通気性が良くなるというもの。捨てられてもそこまで深刻なことにならない程度には軽い山田の性格というのもあります。そういう意味では名キャプテン。あいかわらず、激昂して審判に詰め寄るチームメイトを遠巻きに見てるだけだったりするのはアレですが。

 浦和に来てから最高のやればできる子ぶりを発揮した三都主。もちろん、相変わらず全くやらない試合もあるにはあるわけですが。タイミング良い飛び出し、そこからの好クロスでアシストを連発。大得意と、本人は思ってるらしいドリブルもそこそこ抜けてました。この活躍、周囲が三都主の使い方を分かってきたとか、ゴール前でどっしり構えてるワシントンの存在とかいろいろ原因はあると思いますが。単に「状態の良さ」というのが一番大きそう。たまに聞かれる「相馬加入による競争意識の芽生え」という説は、日本代表での危機感激薄のプレイぶりからしてあまり信じられないのですけど。ただ、相馬のおかげでナビスコ杯などで無理に三都主使う必要がなくなった分、コンディションを保ちやすくなったというのはあるかもしれないです。また、攻撃面での好調さに引っ張られるように、守備も三都主史上最高といっていい出来。基本的に、経験がこれっぽっちも蓄積されず、常に勘だけで守ってるようなタイプ(散々そのバカ軽守備を叩かれていた時でも、まれにゴールラインギリギリで大ピンチを救う絶妙クリアを見せたりしてた)なのですが、攻撃で調子に乗れると守備での勘も安定して発揮できるみたいです。あとは、1年通して調子を保てるかどうか。ワシントンを中心とした今年ここまでの浦和の戦い方との相性では、相馬を二,三歩リードしてると思いますが、田中達也が戻ってきてチームが変質した時にどうなるでしょか。

 昨年後半のケガから復帰はしてきたものの、調子はまだまだ戻ってきてない平川。特に、守備面は1対1であっさり抜かれる場面が多くて、見てておっかな過ぎ。こちらは三都主とは真逆で、コツコツと経験を積んで少しずつ向上してきたタイプなのですが、ケガで休んでる間にせっかく積み上げてきた経験がリセットされて、だいぶ前のセーブポイントまで戻ってしまった印象。元々が守備はかなりヘタっぴで勘も良くなさそうですので、またこつこつレベル上げ頑張ってください。攻撃面でも、縦のスピード勝負で抜けない場面が目立ち、キレは戻りきってない感じ。持ち味のスペースへの飛び出しも、パサー型でない司令塔のポンテと相性いまいちで発揮しきれず。友達の小野とは相性バッチリなはずですが、なにせ小野はVIP。後半から出てきた平川と入れ替わるようにベンチでお休みしたり、代表行ってたりで、一緒にプレーする時間はほとんどなかったです。再開明けしばらくは、ワシントン・ポンテ不在で小野は健在、そして田中復帰と、これまでよりだいぶ縦に早いサッカーになりそうなだけに平川にとっては大チャンス。しっかり存在アピールしてもらいたいところです。

 今オフの補強の目玉の一人のはずでしたが、なかなか出番もらえなかった相馬。三都主が調子良かったのもありますが、その守備能力をブッフバルトが丸っきり信用してなかったというのが最大の原因の様子。確かにだいぶヒドかった。三都主と比べてすら明らかに落ちる守備力とか、なかなかない。この選手もどうやら勘だけで守ってるような感じなのですが、その勘が発揮されるタイミングが不安定でかなりズレ気味。これは、出番が少なかったので勘が鈍ってしまってたのか、とにかく攻撃のことばかり考えてて守備の時に勘を働かせるなどもったいないとでも思ってるのか。東京V時代をよく見てたわけではないのでよく分かりませんけど。ブッフバルトに守備のことをしつこく注意される度に「でも自分の持ち味は攻撃だから」と断固として答え続けてた様子からすると、後者なように思えますが。とにかく守備はあれでしたが、持ち味という攻撃面は当初はギクシャク。一心不乱にザクザクと目の前の相手を切り裂いていく攻撃性は外から見るには痛快なのですが、その過剰なまでに積極的な勝負への姿勢に、味方までが引き気味な感じ。ただ、相馬の特性を周りも理解してきたのか、中断前には有効なオプションの一つとして機能してきてました。今後は、似たような攻撃性の持ち主である田中達也との組み合わせが見てみたいところ。反発しあう可能性もなくはないですが。

 層が厚くなった今年も、その経験でスーパーサブ1番手をがっちりキープした岡野。出てきた時に何をすべきか、自分の中でも、またチームの中でも、完全に整理されてるので、いつでもやるべきことをきっちりやってくれるという、なんとも真っ当な「ベテラン」になりました。もう言うことも特にない(守備は今さら良くはならないでしょうし)ので、あとはただケガせず続けてください。