浦和はJの…
チェルシーだ、などということを開幕前にガンバ西野が言ってたことを急に思い出した。いかにも西野の陰険さがにじみ出てる物言いだなと印象に残ってたのです。
チェルシーというと現在プレミアリーグで首位独走中のチーム。「Jのチェルシー」というたとえは、褒めてるようにも取れないことはないです。ただ、昨季リーグ優勝したチームの監督が2位だったチームを指して言うたとえとしてはあまりにおかしい。西野としては暗に、圧倒的な資金力にまかせた選手補強と、そのわりにスペクタクルに欠ける手堅いサッカーという、チェルシーのマイナスイメージを浦和にもダブらせたかったんでしょう。暗じゃなくてバレバレですけど。どうせ言うなら、「浦和はJのインテルだ」くらいはっきり悪口と分かるように言いなさい。そんなだから顔色どす黒いんです。あるいは、チャンピオンズリーグで因縁盛り上がってた頃ですし、「それならガンバはJのバルセロナだ」とでも言い返して欲しかったんでしょうか。言うか。
本題はここからで、浦和をたとえるならどのチームに近いのかということを、アトさんの浦和評読んで考えてたんですが。これはやはりジーコ日本ではないかと。浦和はJのジーコ日本。ややこしい。ブッフバルトとジーコは似てるところがあるというのは前にも言いましたけど。チームまで似てきた感じが。
どこが似てるかというと。
- 足下で受けたがるテクニカルなパサー型の選手が中盤に並んでいる。
- 戦術があるんだかなんだかいまいちはっきりしない緩い感じ。
- 試合中の修正はもっぱら選手間の話し合いによる。
- 攻撃はパターン化されておらず、そのうち起こるであろう化学反応待ち。
- もしくは、やたらと強力なセットプレー頼み。
- 格下相手には力の違いを見せるような強い勝ち方をする。
- 同格以上の相手にはグダグダになる。
- 三都主ありき。
似てます。もちろん違いもあるわけですが。ただ、その「違い」もむしろ良い方向に働いてるものが多いように思います。挙げてみますと。
- 明確なパターンがないがゆえマッタリしがちな所を、すぐにキレて淀んだ空気をかき回しにいく闘莉王という悪ガキの存在←→大人な宮本
- ラインコントロールはともかくハイボールには圧倒的に強い闘莉王がDFの真ん中にいることで、より引き気味で、相手にロングボール蹴らせるような守り方ができる。
- FWがそこまでプレスに奔走する必要がなく、より攻撃に専念できる。
- 三都主の逆サイドに、加地と違ってサイド職人という自覚が微塵もない山田が、アピールする気とかゼロで重心を後ろ目に置きながらいる。
- 浮きがちな三都主とも同調しやすいブラジル系選手の多さによる、化学反応の可能性アップ。
- 同年代の選手が揃う日本代表と違って、ポンテ>小野>長谷部>鈴木と中盤における序列(攻守の分担)がはっきりしている。
- 小野に子分が2人いるので、より自由にプレーできる(小野も大親分ポンテの尻拭いはしてますが)。
- 福西よりさらに守備専門の鈴木の圧倒的な尻拭いっぷりによる破綻の回避。
ふむ。こう見るとジーコ日本の目指す理想形が今の浦和なんではないかという気さえしてきます。同じように上手い選手をかき集めてみたら、いまいちしっくりこないのが日本代表、たまたまハマッたのが浦和と言ってもいいですけど。とりあえず、ジーコも宮本の代わりに闘莉王、でなければ松田をDFの中心に入れて、あとボランチに今野もしくは明神入れて、右サイドにはやっぱり明神入れたらいいと思う。あと、中盤もしくは前線のブラジル人選手を2,3人帰化させれば完璧。