決勝へ。


 ワシントン。超絶トラップからの弾丸シュート、凄かった。フェイスガードが気になって今日はダメなんじゃないかとか思っててごめんなさい。
 長谷部。この日もキレキレで、中盤に君臨。そして値千金の同点ゴール。頼もしかった。
 そして、阿部。この日の阿部は、鬼神。一人別次元な読みのスピードで、五分五分どころか四分六分くらいのボールも全カット。足引きずっててもカット。あなたがいて本当に良かった。

ACL準決勝第2戦:浦和 2 - 2(PK 5 - 3)城南一和
得点者:21' ワシントン(浦和)、56' チェ・ソングッ(城南一和)、69' キム・ドンヒョン(城南一和)、73' 長谷部誠(浦和)


 準決勝第2戦。浦和は鼻折ったワシントンもマスクつけて元気に先発。CBはネネではなく、第1戦いまいちだった坪井に。てっきり、この試合でネネ使うために、この前の千葉戦で慣らし運転させたんだと思ってたのですけど。
 浦和はいつもの3−5−2、ではあるんですが、3トップの相手にサイドズコズコやられた第1戦の反省から対策を。相手がボール持った時には、逆サイドのWBが速やかに下がって最終ラインに入り、ボールサイドのCBが外に出ての4バックに。ボールサイドのWBは下がり過ぎないよう踏ん張って、CBと縦の連携取りつつ、ダブルボランチと3人ブロックで相手中盤に寄せてアタック、という4バック+中盤3人(それでも危なそうなら前3人も戻ってくる)という形を徹底。WBが下がって4バックになるのは、これまでも流れの中とか山田さんのやる気の関係とかで普通に見られましたが、それがしばしば両サイドもボランチもDFラインに吸収されて、5バックないし7バックになって前線が孤立、押し込まれっぱなしになる、というのがいつもの悪いパターン。そうならないよう、ボランチ、サイドの4人はかなり意識して我慢してたように見えました。相手にボール持たれて圧力受ける時間は長かったですが、阿部の鬼っぷりと前3人も守備に協力したこともあって、相手にミドルレンジ以外ではシュート許す場面もほとんどなく、この4−3守備は機能してたと言っていいです。「4−3」を維持しようという意識が強い分、中盤の選手のパスを受ける動きが乏しく、ボール奪っても繋げないという面もありましたけど、ここらは割り切ってたと思います。
 破綻したのは、自分たちのCKからのカウンタ一発。あれはボール拾われた瞬間、ヤバいと思いましたもの。もうスッカスカ。なんでリードしてる方があんな見事なカウンタ喰らうんだかと脱力しましたが。あの後半立ち上がりの時間帯、前掛かりにきて後ろが手薄になった相手に、なまじチャンスを作れてたものだから、つい調子乗ってしまいましたか。そして、同点にされ、攻めるのか守るのかフワフワしてる間にもう一発。最終ラインからの長距離の楔パスをきっちり落とされて、そのままミドルシュートズドン、都築が弾いたところを詰められてドン、という。警戒してたサイドではなく、中央をザックリ切り裂かれての、危ないと思う間もない一撃。1−2。残り20分。
 ここから4分で追い付く反発力をまだ残してた、というのが結果的に勝因でした。混乱はしてたけど、切れていたわけではなかった。セットプレイ時に相手がメンバ交代して集中が途切れたところを見逃さず仕留める、という全北戦でやられてことをやり返したわけですけど。キッカーはポンテ、相手DFを出し抜いて折り返したのが阿部、飛び込んで決めたのが長谷部。決めるべき人が決めたゴール。2−2。この日のポンテは全体的には低調な出来でしたが、ここは見逃しませんでした。
 この後は、あわよくばのカウンタ狙いの浦和と、消耗著しい浦和左サイドを狙ってくる城南で膠着。浦和に決めるチャンスがないわけではなかったんですが。いや、啓太のシュートは「決めるチャンス」にはカウントされないという話もありますけど。延長に入ると、体力的に先にお釣りがなくなって「4−3」も何もなくなった浦和でしたが、この頃にはボロボロになりながらそれでも鬼神であり続けた阿部や、後半終了間際に自爆した闘莉王に代わって入った堀之内(この男の信頼度の高さは異常)が踏ん張り、城南も疲れからミスが増えてドロドロに。PK戦に突入。
 ここで大きかったのが、ホームの声援、もあるんでしょうけど。達也、山田さん、闘莉王といういかにも外しそうなところが既に引っ込んでいたことが実は大きかったとか言ったら怒られますか。しかし、山田さんとかホントPK下手っぴですから。淡々と蹴って淡々と外します。だけどキャプテンだから責任上、いたら蹴らざるをえないという。達也にもPKですら決める気配なかったですし、闘莉王は日本代表で豪快に外したのが記憶に新しいところ(そういえば、逆に川崎はセパハンとの時にPKの前に中村交代させてしまってましたよね)。ワシントンもPKの止められっぷりには定評あるのでドキドキしましたが、この日は試合中にゴール決めてたのが良かったのか、バシッと決めてくれました。都築が城南の2人目を仁王立ちで弾き、浦和は5人目、まさかの平川(といっても、長谷部も上手くないですし、往々にして試合の殊勲者が外すというジンクス考えると妥当な人選だったのか)まで全員成功。幕。苦しい試合、強い相手でした。残るは決勝。11月7日、14日。勝つしかないでしょう。

  
  

還俗。


 リフレーッシュ。

J1第29節:千葉 2 - 4 浦和
得点者:28' ワシントン(浦和)、38' ワシントン(浦和)、49' ポンテ(浦和)、54' レイナウド(千葉)、77' 羽生直剛(千葉)、89' 田中達也(浦和)

 ということで、2週間ぶりに娑婆に帰ってきてハシャギ気味の浦和さん。特に立ち上がりは、試合に飢えてたかのようにがっついてました。代表もお休みだった闘莉王などは、試合というかゴールに飢えてたようで、久しぶりに上がりまくり。なぜあなたはスルーパスに相手のゴール前で反応してるのか。
 それにしても、体が軽かったので嬉しかったのかもしれませんが、いきなりガツンとハミが掛かってしまって口を割って飛ばし過ぎた感も。基本的にタフではあるけど、90分のスタミナというのはあまりないチームですので。後半早々に3−0にまでリード広げ、さらに4点目取るチャンスも立て続けにきた(けど外した)ことで弛緩したのと、2点目の時に鼻血ブーしたワシントンに代わり、後半頭から出てきた小池があまりにも空気で実質数的不利に陥ったこともあって、最後は捨て身の相手にバタバタ。この一叩きで落ち着いてもらって、水曜日のACLには適度の気合乗りで臨んでもらえればいいんですが。
 中断期間によるリフレッシュ、前述の闘莉王や、疲労困憊だった山田さんなどには効果覿面で、真面目にダッシュしたりしていたのですが、代表の影響もあってか、啓太の疲労が抜けきっていないように見えたのがやや不安。絶好のシュートミス、集中欠いたような致命的なパスミス、は、まあちょいちょいあることで片付けていいとしても。すばしっこい千葉の選手を追っかけるのがかなりしんどそうだったのは心配です。周りの選手、フォローお願いします。まあ、言わなくても長谷部、平川あたりは空気読んでやってくれると思いますけど。空気とか関係なく漂うネネは余計なことしないように。

 さあ、ACL

空。


 休みだぁー。

J1 第28節:浦和 2 - 1 大分
得点者:4' ワシントン(浦和)、60' 藤田義明(大分)、68' ワシントン(浦和)


 しかし、なんとまあ。これでもまだ勝つのかという。
 7連戦最後の浦和。もうスッカラカンですよ。ここまでスカスカではエネルギの配分などしようもない。新潟戦あたりからかなりキてる様子はありましたが、ついに城南戦で予備タンクまで使い果たしたみたいです。この日先発外れた山田さんは体重4kg落ちたとか。で、どうしたもんかというと、まあ、基本的には何もしてませんでした。ただそこにいた。駒場の酷いピッチに対しても抗うことなく、徒手空拳で立ち尽くす姿は、そのまま秋の済んだ空気と一体化するんじゃないかという。同点に追いつかれた直後に勝ち越し点取り返したのも、自ら掴んだ結果というより、勝手に空気が流れたという感じでした。
 あまりボンヤリしたことばかり言ってもしょうがないので、特に勝因を挙げるとするなら、オジェックのFWローテーション起用が当たったということになるでしょうか。几帳面にローテ組んだことで、まだ他の選手よりはエネルギに余裕あるFW3人を、連戦の最後であるこの試合で同時起用し、ワシントンが2得点、右サイドに回った永井が1アシスト。ワシントンについては、先の更新で一人だけチームで浮いてると言いましたけど、それは一人だけエネルギに特に余裕があったということでもあります。夏場、ブラジル帰ってましたから。
 あいかわらず、堀之内が交代で入ろうとピッチ横まで出ていったのに結局入れないままタイムアップになってションボリするなど、選手交代は鈍いにもほどがあるオジェックですけど、先発メンバの選択については芯は外してない印象です。負傷の坪井の代わりに、ちょいちょい使われてた堀之内ではなく、ネネを唐突に先発起用というのも意表衝かれましたが、なかなか面白い選択。ここは勤勉な堀之内より、普段から浮世離れしてるネネの方が確かに合ってたかもしれません。
 ともかく、連戦お疲れ様でした。ゆっくり休んで、俗世に帰ってきてください。山田さんはしっかりご飯食べて。小野、相馬もしっかり怪我治して。ああ、ナビスコ負けててよかった。

最善。


 今発表された大分戦の先発メンバ見たらテンション上がってきたので更新。達也、永井、ワシントン揃い踏み。そして、ネネッ。

J1 第26節:横浜FM 0 - 1 浦和
得点者:'65 永井雄一郎(浦和)

ACL準々決勝第2戦:全北現代 0-2 浦和
得点者:'3 田中達也(浦和)、'66 オウンゴール(浦和)

J1 第27節:浦和 1 - 0 新潟
得点者:'87 ポンテ(浦和)

AFC準決勝 第1戦:城南一和 2-2 浦和
得点者:'10 モッタ(城南一和)、52' 田中達也(浦和)、65' ポンテ(浦和)、81' キム・ドヒョン(城南一和)


 窒息しそうな連戦、その中で「ベストを尽くす」ということを見せてくれた選手たち。
 相手の圧力を凌いで凌いで、一点突破で刺した横浜FM戦。繰り返されるラフプレーを無表情でスルーして試合を殺した全北戦。雨で滑るピッチの中、力振り絞って仕掛けた後半勝負が不発に終わりながらも、土俵際踏ん張って、最後の最後ポンテの一撃に繋げた新潟戦。そして城南戦。Kリーグ王者という最強の敵、連戦固定面子による最低のコンディション。おまけに前半早々に先制点奪われる最悪の展開。ギリギリもいいところでしたが、選手たちはひたすら懸命でした。懸命すぎて、これは最後まで持たないだろうと前半途中から分かってしまうほど。しかし、その懸命さが前半は0−1のままで、後半半ばでひっくり返すというこれ以上ない展開を手繰り寄せました。あれより早く引っ繰り返してたら、かなりの確率で再逆転されてたでしょうし、あれ以上勝ち越し点が遅れてても息が持たなかったように思います。
 省エネだの手抜きだのとよく言われる(私も言う)浦和ですが、この連戦中についてはいつもの省エネとは違います。いつもの省エネは、100%の力出そうと思えば圧倒できるのに、必要最低限の力だけ出して勝とうとする、というやつですが。今の浦和は、そもそも試合開始時点でタンクに燃料が7割しか詰まってない状態。手抜けるほどの余裕がないです。10割の力のうち7割出すというのと、7割の力のうち7割出すのとでは大違いですから。で、エネルギ量が劣ってる状態で取れる最善の方法として、場所、時間によってエネルギを配分し、勝負所だけは逃さないようにして、あとは最低限の力でなんとかする、という。まあ、ですから、現象としてはいつもの省エネと似てるわけですけど。しかし、この配分へのチーム全体の意識統一ぶりはすごい。ワシントンが若干アレなのを除いて(先発した城南戦では、やたら前からプレッシャ行こうぜとアピールするも思いっきり仲間にスルーされたりしてました)。全北戦でのスルーぶりなども、あれはもう怒るエネルギももったいないということだったんじゃないかと思います。普通の状態なら、あんな大人しいことないですから。
 この連戦の中、もちろんポンテのスーパーぶりもですが、地味に平川も目に付きました。一時の勢いはさすがに落ちましたが、チーム全体の意識統一に全く遅れず付いてきてるのには感心。元々、空気読めるタイプですけど、以前はそれが「顔色を窺ってる」ように見えてイライラしたものですが。人間、自信が大事です。
 それにしても、連戦の最後が、よりによって劣悪ピッチの駒場というのは。これでケガ人でも出ようものなら、来年は駒場なしな。
                                

真剣の味。

 これこれ。こんなに楽しいものはない。

ACL準々決勝第1戦:浦和 2-1 全北現代
得点:4'長谷部誠(浦和)59'田中達也(浦和)91'チェジンチョル(全北現代


 いよいよ始まったACL決勝トーナメント。相手は、昨年の王者で予選免除の全北。カップ戦の鬼らしいというのが不気味だったのですが。いざ戦ってみると、予選でやった上海申花と大差ないレベルの手応え。前線の外人2人にスピードがない分、むしろやりやすかったくらい。布陣は箱型4-4-2。
 浦和はボール持った時には丁寧に丁寧に最終ラインからパスを繋いで、スキを見ては引いてのポストと裏狙いの飛び出しを繰り返す2トップに当てたりしてちょっかいかける、というのを根気良く繰り返し。相手ボールの時も下がりすぎることなく、普段のリーグ戦の時とは一段階違う出足の鋭さと帰陣の早さで速攻を許さず、相手のポストプレイにはDFが抑えてボランチで挟むという鉄則通り。逆にボール奪取に成功すれば、意外と前に出てくる全北にカウンタから決定機作ったり。結果としてやってることはいつもの自然体サッカーと大差ないようですが、気遣いの繊細さが違いました。ほぼ万全だったんじゃないでしょうか。結果以外は。あと采配と。なんとかアウェイゴールをと気持ちの悪いフェイント仕掛けて幻惑する10番やらを投入して勝負賭けてきた全北に対し、丁寧にコツコツ「万全」を積み上げてきた裏でジワジワと消耗していった選手を例のごとく放置する浦和。そして、もうロスタイムというところで相手のCK時という最悪のタイミングで内舘投入。その内舘が守備に入ってくる前に蹴られてバタバタし、まんまと失点という。ふーん。
 とにかく来週。残り90分。今日の試合見ると引き分け以上という条件は難しくない、と思いたいですが。ホームとアウェイでガラッと変わるのがACL。上海戦もアウェイではなんとか引き分けでしたから。オジェックは、1失点は集中欠かないで出来るから悪くないとか、本気か知りませんが言ってるようですが。もちろん集中ではなく消耗が敵です。
 ちなみに川崎の方は、アウェイで0-0と、こちらも微妙な結果だようです。流れが行ったり来たりな試合でしたが、決定機の数では上回っていただけにせめてアウェイゴールを奪っておきたかったところですか。しかし、こういうホーム&アウェイでは一般に2戦目ホームが圧倒的有利と言いますけど、2戦目ホームだと行って帰ってで2回移動して戦わないといけないという不利があるんですね。普段の日本国内とか、あるいは欧州CLなどでは、不利とも感じないようなことですけど、こんな日本−イラン間ともなるとダメージになりそうな。まあ、頑張ってください。

 以下、選手短評。

都築:あいかわらずのポストの神降臨ぶりに加え、試合中もシュート撃たれる度に味方にガン切れする気合も見せました。
坪井:好調キープでその丁寧な仕事振りは安心して見れる出来。積極的なオーバーラップも度々。
闘莉王:こちらも疲れてはいるんでしょうが、集中力振り絞り、ライン下げすぎないよう押し上げる。ただ前線に張り付くのではなく、中盤に進出して組み立てを助けながら、機を見てゴール前まで出て行くという、これくらいの攻め上がりがバランス的にベストか。
阿部:久しぶりの実戦でしたが、守備は全く問題なし、得意の出足鋭いインタセプトを連発。ただ、ボール持った時に丁寧さ欠いたパスも。これは実戦勘というより、元々そういう粗さはたまに見せる選手ですので。
山田:立ち上がりはまずまず元気だったんですが、何度か立て続けに裏狙われたことで急にションボリし、気持ちが後ろ向きに。結果、味方がパス出そうとする時に、いて欲しいポジションより何メートルか後ろにいてパス通らず、という場面が再三。山田さんの力は絶対に必要なだけに、前向きになってもらわないと困ります。
平川:豊富な上下動で攻守に貢献。ボール持ってもなかなか縦にはいけませんでしたが、タイミングぴたりの飛び出しもありましたし、中に入っての味なパスもあったりで、好調は維持。
鈴木:疲れをほとんど感じさせない丁寧な仕事ぶり。素晴らしいの一言です。
長谷部:この前の広島戦でのごっつぁんゴールで気分良くしたのか、ついにシュート決める。長かった…。その後も攻守にノリノリで、フル回転で飛ばす。おかげで最後はガス欠気味で、終盤の決定機での痛恨スルー啓太大激怒などもありましたが、90分持たないくらいの勢いでいってこその長谷部です。
ポンテ:好調とはいえないまでも、粘っこさは発揮。やはりタフな試合で良くなってくるタイプ。来週は頼りにしてます。
永井:こちらは元気。達也とのコンビネーションで崩そうという意図の見えるポジショニング取ったり(あまりの達也の外しっぷりに途中で切れかけてましたが)、守備の意識もいつになく高かったりで、機能性を感じさせる。機能性とか永井とは無縁な言葉だと思ってました。次はワシントン戻ってきますけどどうしますかね。
田中:やー、外したなあ。ダメな時のワシントンと同じような外しっぷり。表情に切迫感が。なんとか1点だけは取るというのも似てます。うーん、体調自体は悪くなさそうなので、第1FWとしてワシントンが戻ってくれば改善されそうな気もしますけど。


小野:79分、ポンテと交代。相手が前がかりに来てた場面で、守備を頑張るのかカウンタの起点になるのか、どっちつかずで試合に入れず。
内舘:90分、達也と交代。内舘が悪いわけではありません。

                

弛緩。

 2週間ぶりということで、また気が緩んでしまいました。

J1第25節:広島 2 - 4 浦和
得点者:'12 田中達也(浦和)、'23 長谷部誠(浦和)、'37 永井雄一郎(浦和)、'40 ウェズレイ(広島)、'82 森崎浩司(広島)、'84 ワシントン(浦和)


 気が緩んだのは、試合の方がだいぶユルユルだったせいもありますけど。浦和は最初から最後まで自然体なだけで、相手が自然体以下だった前半のうちに押し切ったという試合。当然のようにみなさん自然に休憩モードに入った後半とかほとんど覚えてません。
 こういう試合は、選手個々の調子についてか、相手についてかくらいしか書きようがない。まずは選手の調子についてですが。とりあえずオーストリア帰り組のうち、闘莉王、啓太、あと駒野はあの暑さにも関わらず顔が白っぽいというかなりヤバそうな状態。闘莉王は最近集中切れること多いですし、啓太は死にそう死にそうとずっと言ってる気がしますが、ACL含むこの連戦を乗り切れますか。乗り切った先に希望はあるのか。阿部が日本居残りだったのと、堀之内が試合勘取り戻してきてるのがせめてもの救いです。あとは、暑い中なのに山田さんと永井が意外に好調子でビックリしました。山田さんは、こういう試合展開では攻撃への積極性などはもちろん皆無でしたが、流れの中で最終ラインに入ったり、ボランチの位置に入ったり、潤滑剤役をそれなりに楽しそうにやってました。永井については、調子の簡単な見極め方としてクロスに対する反応の仕方があるのですが、「ニアに頭から飛び込む」という極レアのSランクが出てましたから。ちなみに「ファーで立って待ってる」ならまずまず好調、「ペナルティエリアのはるか後方をテクテク歩いてる」で並です。復帰のワシントンも意外に軽そうなプレイぶり、ゴールも決めて安心しましたが、ノれてないのがポンテ。まあ、ポンテについては心配しても仕方ないというか、休ませると勘が鈍ってかえってダメになったりしますから。この先のちょいと厳しめの連戦の中で、タフな状況に闘志燃やしてノッてくるか、ドツボに嵌っていくかは半々というところなので、良い方に転がってくれることを祈るばかり。山田さんがやる気なら、ポンテが多少アレでも穴埋め出来ると思いますけど、韓国のチームとか相手にやる気出しますかどうか。それも半々か。

 相手について。99年以来負けなしとすっかりお得意さんとなってる広島。まあ、相性なんでしょうか。浦和というのは、基本的に「1対1で負けない」ということを、攻撃でも守備でも当然の前提としてるところがあります。これはおそらく徹底マンマークを敷いたオフト以来。対して広島は、「1対1で負けない」ということをあまりに軽視している、というか「1対1では負ける」のを前提にしてるようにさえ見えます。1対1でかなりの確率で負ける森崎兄を最終ラインで使い続けるとか普通は耐えられないですけど、「前提」だからしょうがないという。1対1で勝てなくても2対1を作れば勝てる(だから最終ラインにボール持てる選手入れる)という理屈は間違いではないんでしょうけど。だからといって1対1ならあっさり負けていいというわけではないでしょうに。
 

消耗。

 水曜の神戸戦については一身上の都合でお休み。ついでに、この試合についても休んでしまおうかと思いましたが。

J1 第24節:浦和 0 - 1 大宮 
得点者:'60 森田浩史(大宮)


 このところ淡々と相手にカウンタ合わせる作業を続けてきた浦和。で、今回の相手は、色々あって結局「停滞の4-4-2」に戻ってきてた大宮。前節の神戸も4-4-2でしたが、神戸は何というか偏りがなく、普通にちゃんとしてたチームだったので、浦和も普通にちゃんと戦って最終的に地力で押し切れたんですけど。この試合は連戦の疲労感もあってか、カウンタの合わせどころを見つけられず、きっちりと相手の注文通りに停滞。本来、停滞を打ち破るバランスブレイカ役の闘莉王が前節から引き続きどうにもおかしく(F東京戦で頭打った影響?)ズルズルいってる間に、逆にカウンタから大宮DFレアンドロに啓太−闘莉王のところを喰い破られて決勝点奪われるという。G大阪戦の時に「エメルソン出場停止中といったような面子」とか書きましたけど、この負け方も当時を彷彿とさせるものが。おかげでワシントンが戻りやすくなったと言えないこともないですけど。
 それにしても、なぜこのタイミングで相馬を先発させてしまったのか。このところ、途中出場もさせてなかったのに。元々、周りとの関係性に難がある選手なうえ、「なぜここで(平川でなく)相馬?」とサポーターもチームメイトも、おそらく相馬自身も考えざるをえない状況で使われたことで、すっかり重たい存在になってしまってました。これなら、やる気出しすぎて吹っ飛んでる方が全然マシ。交代告げられても不完全燃焼どころか煙も立ちやしないという感じですっかり消沈、大丈夫でしょうか。平川でなく小池と交代させたのはせめてもの恩情だったのか何なのか。この先、相馬が必要になる時があるはずなのに、こんな消耗のさせ方は納得しがたいです。特に理由なく先発外された平川の方もやや不貞腐れ気味ですし、小野もボランチで無駄使いされただけだし。本当にもう。資源は限られてるんですから。